何が起こるか
わからないのが 世の中
何をしでかすか
わからないのが 自分
覚法寺だより 第62号
お彼岸も過ぎて10月となり、日に日に秋の色合いが濃くなってきたように感じます。皆さまいかがお過ごしですか。
今年も報恩講の季節となりました。報恩講は、宗祖親鸞聖人のご命日法要で本山では毎年1月9日から16日までお勤めされ御正忌報恩講といいます。各地のお寺では、それに先立って勤められることから「お取り越し」とも呼ばれています。聖人九十年のご生涯を偲びつつそのご恩徳に感謝し、お念仏のみ教えを聴聞して味わいを深めさせていただく尊いご縁です。
さて、今月の法語ですが、前半の「何が起こるかわからないのが世の中」は、皆さん確かにそうだねと納得できるのではないかと思います。しかし、後半の「何をしでかすかわからないのが自分」というのは、どうでしょうか。私はそんなことはありませんと思っていますよね。私もそう思いたいですが、現実はとても心許ないと言わざるを得ません。例えば、子供を叱るときにまずは子供の言い分を聞いてみようと思っていても、子供の態度に腹を立て叱るどころか自分の感情むき出しで怒り出すことが・・・
テレビや、新聞、インターネットでは連日のように凶悪な事件や、傷ましい事故を報道しています。それを自分は傍観者としてまるで評論家のように見てはいないでしょうか。
親鸞聖人は「さるべき業縁のもようさばいかなるふるまいをもすべし(しかるべき縁がはたらけば、どのような行いもするものである)」(歎異抄第13章)と、煩悩に振り回されている私は、縁によっては何をしでかすかわからない危うい存在であることをお示しくださいました。そして、迷いを迷いと気付かずに自己中心の生き方を離れることのできない者をこそ救わずに居られないとはたらき詰めでいてくださる阿弥陀様の本願のお心を明らかにしてくださいました。
島根覚法寺では10月22日(日)に岡田哲水師を 東京分院では11月18日(土)に 松岡満優師をご講師にお迎えして報恩講法要をお勤めさせていただきます。ごいっしょにお聴聞させていただきませんか。皆さま、お誘い合わせてお参りください。
尚、東京分院では、法座会の送迎を検討しております。まず試験的に10月の法座会にお参りの方を武蔵小金井駅まで送迎致します。ご希望の方は、電話にてお申込み下さい。
合 掌
平成29年10月
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