3月の伝道掲示板

阿弥陀仏の本願は

 渡ることのできない迷いの海を

 渡してくださる大きなる船

         親鸞聖人

 

覚法寺だより 第55号

 

暦の上では春を迎えたとはいえ、まだまだ寒い日もあるこの時期ですが、日も長くなりそこここに春の訪れを感じることができます。それとともに花粉の飛散もピークでしょうか。花粉症の方はどうぞお大事になさって乗り切ってまいりましょう。

 

先日、Kさんという年配の女性がお一人でお参りくださいました。以前お父様の祥月命日にお参りいただき、今回は、既に五十回忌を過ぎたお母様の祥月命日で二度目のお参りでした。「阿弥陀経」をお勤めさせていただこうと思いお経本を渡してページをご案内したところ、「正信偈」でお勤めしてほしいとのご要望があり一緒に正信偈六首引きのお勤めを致しました。Kさんはお勤めの後お茶を飲みながら、昭和2年に神戸でお生まれになり、昭和5年の神戸別院落慶法要にお稚児さんとして参加されたこと、篤信のお婆様やお母様に連れられてお寺の御法座にお参りされ、お手次のお寺の日曜学校にも通われたことなどを懐かしそうにお話しくださいました。なるほど、正信偈のお勤めもお上手でいらっしゃいます。幼少期からの経験が染みついているのでしょう。

 

お母様からは、結婚相手は浄土真宗の人とまで言われたそうですが、戦後の混乱期に御縁のあった方と連れ添われ、ご宗旨は天台宗でした。それでもご主人とは、ご一緒に本山(本願寺)にお参りされたこともあったそうです。そのご主人にも先立たれ、宗旨が違うことから遠慮されて浄土真宗のお寺にお参りすることは無くなってしまったそうです。Kさんは、「今日は、私のために用意されたようなものですね。」と、お母様に導かれるようにお寺に足を運ばれたことを大変慶んでおられました。ようこそお参りくださいました。

 

宗教や宗派、国籍が違ってもご自由にお参りお聴聞いただけるのが浄土真宗のお寺です。それは、老いも若きも、男性も女性も、賢い人も愚かな人も、煩悩に振り回され苦悩を抱えて生きる者を救わずにはおれない阿弥陀様のお心に出遇わせていただく聞法の道場だからです。どなたでも遠慮なくお参りください。

 

さて、覚法寺東京分院では、活動を始めてから早や、6年目に入りました。お陰様で昨年、小さいながらも本堂が完成してご本尊をお迎えすることができました。つきましては、6月4日(日)に本堂落成慶讃法要を厳修させていただく運びとなりました。詳細は別紙の通りです。これまで覚法寺をお支えくださった有縁の皆様と慶びを共にさせていただきたく、ご家族お揃いでお参りくださいますようご案内申し上げます。

                                  合 掌   

 

   平成29年3月