1月の伝道掲示板

目出度(めでた)さも

ちう(ちゅう)位也(くらいなり)

  おらが春

 小林一茶

  覚法寺だより 第53号

 

光寿無量

 

皆様には、お元気にご越年のこととお慶び申し上げます。私たち覺法寺寺族一同もおかげさまで無事に新年を迎えさせていただくことができました。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

また、昨年中に大切な方と今生のお別れをされて、新年を迎え寂しさを感じ悲しみを新たにされている方もいらっしゃるでしょう。どうぞ悲しみのままにお念仏申しましょう。私たちは、いつでも(無量寿)どこでも(無量光)阿弥陀さまのお慈悲の真っ只中です。ご一緒に阿弥陀様のみ教えに耳を傾けてみませんか。是非お寺にお参りください。

 

覺法寺分院では、1月3日に修正会をお勤めさせていただきました。正信偈六首引きのお勤めの後、御文章(白骨章)拝読、御流杯の儀(親鸞聖人の御前にお供えしたお酒を頂戴いたします)を執り行い、お参りくださった皆様方と新年を迎えさせていただいた意義を確認し、そのありがたさ尊さを喜ばせていただくことができました。

 

さて、今年最初に掲示させていただいたく法語は、皆様よくご存じの小林一茶「おらが春」の題名となった句です。以前(覺法寺だより第16号)、小林一茶のについては書かせていただいておりますが、相続問題で親族と争い、結婚して恵まれた三男一女も皆幼くして亡くなります。その後、妻に先立たれ晩年には火事で家を失うといった波乱の人生を生き抜かれた人です。そして、それ程の苦難に遭いつつも阿弥陀様のお慈悲を喜ばれたことが「おらが春」を通して知られます。

 

お釈迦様は、縁起の道理をお説きくださいました。それは、すべての事象は「縁」(原因と条件)に依って「起」こり、「縁」に依って移り変わり「縁」に依って滅することを教えます。そして、移り変わる中に「真実」は無く、移り変わること、当てにならないことにしがみつく心(煩悩・自己中心性)に依って「苦」を生じることを明らかにされました。

 

煩悩に振り回されて自らが苦悩を作り続けていることにもなかなか気付かずに居る私を放っておくことのできない阿弥陀様の親心は、「愚かな身に気付きそれを止めよ」と言うのではなく「必ず救う。安心してまかせよ。」と「南無阿弥陀仏」のよび声となって働き詰めでいてくださいます。

 

         合 掌 

  

  平成29年1月