他人の意見を聞こうとしない
これを我慢といい
自分の意見を聞かそうとする
これを憍慢という
覚法寺だより 第52号
関東では 11月に54年ぶりの初雪が降りました。観測始まって以来の積雪となり、この冬の訪れが早まったように感じます。今年も残すところあとひと月となりました。初冬を迎え何かと慌ただしい中、皆様お変わりありませんか。
さて、覚法寺では、去る11月19日にお陰様で報恩講法要をお勤めさせていただきました。また、それに先立ち、本願寺仏師須藤光昭師に調製をお願いしておりました御本尊(阿弥陀如来立像)をお迎えして入仏除幕式を営み、ご参拝いただいた皆様方と慶びを共にさせていただくことができました。
浄土真宗の御本尊は、お立ちになっています。そして、少しだけ前傾しています。そのお心を御講師の先生は、以前「はじめてのおつかい」というテレビ番組で小さな子供にお使いを頼み、様子を隠れて見ている番組がありましたが、それと同じことを自分の子供にさせてみたそうです。なかなか戻ってこずに大変心配になり、探しに出ようかと思っていたところに戻ってきた時には、思わず飛び出していったことをお話くださいました。それは、立撮即行(りっさつそくぎょう)といい、悩み苦しむあなたを放ってはおけない、じっとしていられないという親心の現われです。
浄土真宗のお寺は、阿弥陀様のお心を聴聞させていただく道場です。たとえ除夜の鐘を撞いても私の煩悩は消えませんし尽きることもありません。初詣をしたからと言って願い事が叶うものでもありません。その願い自体が煩悩によるものであるとしたら、次の苦しみに繋がるものかもしれません。この身がある限り尽きることの無い煩悩に縛られ自ら苦悩を深める身であることに変わりはありませんが、阿弥陀様がいつでもどこでも私に寄り添い、この人生をお浄土への旅路として飾り、ごいっしょしてくださることは、何にも代え難い大きな御利益なのです。
年内の御法座は、あと二回となりました。新年は、1月3日に修正会(初法座)をお勤めいたします。新年のお参りには是非ご家族お揃いでお運びくださいますようご案内申し上げます。
皆様には今年一年、大変お世話になりありがとうございます。
合掌
平成28年12月
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