早死にはいやだし
あまり長生きも困るという
大切なものを見失った
人間の言い草
覚法寺だより 第49号
オリンピックも終わり季節は秋を迎えたとはいえ、まだまだ残暑が続きそうです。体調にはくれぐれも気を付けてお過ごしください。
さて、今月の法語をご覧いただき皆さんは、どうお感じになるでしょうか。私は、もう一言「どうせ死ぬなら長患いせずにぽっくりと」と付け加えたくなりました。そうした願いに応えてくれるらしい?ぽっくり寺なるところまであるようですが、そこへお参りされた人がぽっくり亡くなったと聞いて恐ろしくなってお参りすることをやめてしまったとか、そこの住職が寝たきりになってしまったなどといった笑い話まであります。
お釈迦さまは、「一切は苦である」と教えてくださいます。それは、全ての事象は「縁に依って生じ、縁に依って遷り変わり、縁に依って滅す」という道理で成り立っており、私の思い通りになるものではないことを「苦」であるとお示しくださったのです。私自身もまた同じ道理に依って生まれ、育てられてきた身であり、縁に依っては今終えていかなければならないいのちをいただいております。もとより思い通りにならないのです。ところが、その道理に反して思い通りにしたい、なるはずだと自己都合にとらわれ振り回されてしまう私がいます。そうした思いが強ければ強いほど苦しみが深まることにも気付かずに・・・。
阿弥陀さまは、私の苦しみの根本を抜きさり、真の安らぎを与えることのできる仏になりたいと願われ、その願いを成就されて私を救う力を得られた仏さまです。そのお心を「南無阿弥陀仏」の名のりにこめて、よび声となって今、私に寄り添い「必ず悟りの世界に生まれさせてこの上ない悟りを得させますよ 安心してまかせなさい」と、よび続けていてくださいます。
今月は、お彼岸を迎えます。覺法寺東京分院では、15日(木)の定例法話会にご講師の先生をお迎えして阿弥陀さまのお心を聴聞させていただきます。また、22日(秋分の日)には彼岸会法要をお勤めいたします。皆様、お誘い合わせてお参りくださいますようご案内申し上げます。
合 掌
平成28年9月
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