みえないところで
ひとつつながりに
つながって生きているのは
竹やぶの竹だじゃない
つくしんぼうだけじゃない
東井義雄
覚法寺だより 第48号
暑中お見舞い申し上げます。関東地方は7月末に平年より遅めの梅雨明けとなりいよいよ夏本番の8月を迎えました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
我が家では、高校2年生の次女が夏休みに入り、家に居ることも多くなるのかと思いきや、連日部活動で普段より早く登校しています。高校生になってからは親と一緒に行動することは、殆んどなくなったように思います。どうせ勉強もしないのだから家で一日ダラダラ過ごされて坊守のキンキン声をきかされるよりいいかと勝手に納得をしながらも一抹の淋しさを感じています。
一昔前までは、民族の大移動とまで例えられたお盆休みの帰省ラッシュも最近は分散傾向にあり、以前ほどの混雑は、少なくなったとも聞きます。それでもこの時期の人出はどこでも相当なものですが、その混雑をいとわずに子供連れで帰省する人々の姿を報道で見ると何かホッとするものを感じます。都会育ちの子供にとって、お祖父ちゃんお祖母ちゃんと過ごす夏休みの楽しい記憶は、生涯のよき思い出となることでしょう。そして、阿弥陀さまに手を合わせることを教わるのもそういった機会なのかもしれません。
浄土真宗の家庭では昔から朝晩に家族揃ってお仏壇の前に座ってお勤めをする宗風があります。以前ご年配の方が、子供のころ皆で一緒に座ってお参りしないとご飯を食べさせてもらえなかったと厳しく躾けられたことをお話しくださいました。それは、単なる躾としてだけではなく、阿弥陀さまに手を合わせる子に育ってほしい、お念仏申す人生を歩んでほしいとの願いによって育てられてきたということであり、それが脈々と伝えられてきたのです。その願いの源泉こそが阿弥陀さまのご本願なのです。
このお盆は、先人方を偲びつつ、ご家族揃ってお迎えください。そして、今も一人一人にかけられている願い、阿弥陀さまの願いに耳を傾けてみませんか。
合掌
平成28年 8月
コメントをお書きください