亡き人を 案ずる私が
亡き人から 案じられている
覚法寺だより 第43号
日本気象協会から東京の桜の開花は3月23日と開花予想の発表もあり、一歩一歩春の訪れを感じられる候となりました。私もそうなのですが、花粉症の方にはもうしばらく大変ですが、どうぞお大事にお過ごしください。
さて、覚法寺分院では、去る2月27日に竣工式と昨年11月より延期していた報恩講法要をお勤めさせていただくことができました。竣工式は、讃仏偈のお勤めと報告、引き続き報恩講法要では、お参りの皆様とともに正信偈をお勤め致しました。法話では、ご講師の先生から「報恩」についてお話しいただき、語源「カタンニュ」は、「為されたことを知る人」であることや「ありがとう」の反対語は「あたりまえ」であること、お寺が多くの方々のお支えに依って成り立っていることなどをありがたくお聞かせいただきました。
浄土真宗のお寺は、単に法事や葬式等の儀式を執り行う場ではありません。仏さまにお願いを聞いてもらうお祈りの場でもありません。真実に昏く迷いを迷いと気付かずにいる者を「放っておくわけにはいかない」「黙って見ているわけにはいかない」と、よび声となってはたらいてくださる阿弥陀さまの「どうか助かってくれよ」との願いを聞かせていただく聞法の道場です。
3月はお彼岸を迎えます。お彼岸には、お墓参りを予定されている方も多いことでしょう。懐かしい人に思いを致し、亡き人を案ずることは尊いことです。しかし、それだけで終わってしまっては、もったいないこと、申し訳ないことと言わねばなりません。お墓参りの前か後には、是非、お寺にお参りしましょう。先人方が命を賭して教えてくださったことを改めて思い起こしたいものです。そして、亡き人を案じているつもりの私が、実は先にお浄土へ参られた方から案じられ、願われていることをご一緒にお聴聞しませんか。
覚法寺分院の春季彼岸会は、3月2日(日・春分の日)にお勤めさせていただきます。どうぞ、ご予定ください。また、毎月15日には、祥月命日法座を開催します。祥月命日をお迎えの方だけではなく、月忌参り、正信偈をお勤めできるようになりたい方等、どなたでも参加自由です。是非、お参り下さいますよう合わせてご案内申し上げます。
合掌
平成28年3月
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