4月の伝道掲示板

動物は折角育ててやったのにと

人間みたいなことはいいません

覚法寺だより 第8号

 温かい日の多かった3月も終わり4月を迎えました。新年度になり新たな生活をスタートさせた方も多いのではないでしょうか。今年の東京は、桜の開花が早くお彼岸と同時に咲き始めたため、分院近くの桜の名所小金井公園の桜も既に散り始めています。今年も咲き誇る桜を存分に楽しませてもらうことができました。

 綺麗な花を見ると相田みつをさんの自己顕示という詩を思い出します

 「この花はおれが 咲かせたんだ」
土の中の肥料はそんな自己顕示をしない
おれのような

花は、肥料だけでは育ちません。適度な水や日光気温等さまざまな条件が調うことによって咲くものです。仏教では、条件が調い結果が生じることを「縁起」と教えます。1つの原因によって結果(果)がもたらされるものではありません。原因の中にもさらに原因(因)と条件(縁)があり無数の条件が網の目のように繋がり合って果が生じるのです。

ところが私たち人間は、自分のしたことを誇り自分の手柄を認めてもらいたい気持ちが強いようですね。特に他人に何かしてあげたこと、教えてあげた、助けてあげた、育ててあげた、この思いはなかなか無くならないようです。反対にしてもらったことは、以外に早く忘れてしまうものではないでしょうか。

難しいことかもしれませんが「してあげる」ことを「させていただく」、「してもらった」ことには、「お陰様で」「ありがとう」という思いをもてる人間でありたいと思います。

今月のことばのように「してやったのに」というのは人間だけです。そして「お陰様で」「ありがとう」と言えるのも人間だけなのです。

東京分院では、4月14日午後2時から定例法座会を開催させていただきます。お誘い合わせてお参りください。

                          合掌                                  

  平成25年4月1日